あぁるぴぃJRPSちば会報145


■ 活動報告
★「第18回アイフェスタinちば2023」を終えて
アイフェスタinちば 事務局 渡辺
 記録的な猛暑となった夏がようやく去り、過ごしやすい季節となった10月21日、千葉市美浜文化ホール4階会議室・リハーサル室において、第18回となるアイフェスタを開催しました。4年ぶりの開催であり、いままでとは会場を変え、スーパーライブと同日同建物での開催という初の試みに、不安と緊張でいっぱいでしたが、午前10時の開場前の受付には多くの皆さんの姿があり、ホッとすると同時にうれしく思いました。
 来場者はガイドヘルパーさんを含め202名、スタッフ82名、総動員数は284名でした。ご来場いただいた皆さん、ご出展いただいた企業、団体の皆さん、ボランティアとしてお手伝いいただいた皆さん、そして、会場近くでアイフェスタの来場者にも笑顔でガイドをしてくださったスーパーライブのスタッフの皆さんに心より感謝申し上げます。
 スーパーライブの開場時間となった11時ころには、アイフェスタの会場を訪れる人が一時的に減りましたが、午後には人の姿も戻ってきました。
 今回はスーパーライブの影響でしょうか、若い世代の来場者が増え、相談コーナーで、じっくり相談される人が多かったようです。当日、ご協力いただいたアンケートには、「視覚障害の仲間と交流できる機会がいくつもあることを知り、安心した」「1か月前に網膜色素変性症と診断され、絶望したがいろいろな人の話を聞くことができ、気持ちが軽くなった」というコメントがありました。
 福祉機器展会場でも、最新機器の説明を受けたり、試したり、購入の相談をする人が絶えることがなかったようです。千葉県視覚障害者福祉協会の用具部のブースには、午後3時の終了時間直前にも駆け込みで便利グッズを買い求める人の姿がありました。
 4年ぶりのアイフェスタ。スーパーライブとの相乗効果もあり、初めてアイフェスタにご来場いただいた方も多かったようです。アイフェスタが、一人でも多くの視覚障害者の生活をより便利に豊かにするお役に立ち、不安の解消につながるものになったならば、担当者としてたいへんうれしく思います。
 来年も9月14日(土)に、千葉市美浜文化ホールで「第19回アイフェスタinちば2024」を開催します。皆さんの予定に入れておいていただけると幸いです。

★ヨガ交流会のご報告
担当 横山 小出
 秋晴れの10月30日(月)、蘇我コミュニティセンターハーモニープラザ分館3階 フィットネスルームに、12名が集いました。参加者は当事者7名、ヘルパーさん4名、ボランティアさん1名でした。
 参加者からお名前の発声後、いつもの足ほぐしを念入りに行いました。しばらく座ったままの姿勢で、いろいろな動作で体全体をほぐし、ストレッチしていきました。
 今回のメインは立って行う「つりばりのポーズ」、寝転んで行う「ワニのポーズ」でした。途中、写真撮影に現れたお二人の男性は「ヨガはやりません」と言っていましたが、いつのまにかヨガモードに巻き込まれて一緒に体を動かしていたようです。
 あとの交流会ではお一人の男性から、10年ほど継続している「二十四式太極拳」のご披露がありました。なめらかな動きは寄せては返す波のようで、日本舞踊にも似ているといった感想がありました。
 さあ、皆さんはどんな健康法をお持ちですか?「こんな運動を続けている」、「こんな健康法を始めたばかり」などなど。なんでもけっこうです。ヨガ交流会に参加しながらそんなおしゃべりはいかがでしょう。
 次回開催は2月です。皆さんの参加を心よりお待ちしています。


★ミニミニ交流サロンのご報告
◆「千葉サロン」10月のご報告
担当 大野
 10月13日(金)は参加者女性4名、ガイドヘルパーさん2名の会となりました。初めての方がいらっしゃいましたので、皆さんの眼の状態と自己紹介をしました。
 その方は、ご家族が千葉県内でのお仕事を終えた後、数十年前に住んでいた千葉市に今年の3月にもどっていらしたとのことです。色変の症状が進んで、両方の目で見るものにゆがみが出てきたり、見るものの色が青みがかってきて、不安を感じて福祉サービスの歩行訓練を受けたそうです。そのときに、訓練士さんから千葉サロンの情報を聞いて、参加してくださったとのことでした。
 現在、白杖の申請もしたばかりということでしたので「アイフェスタinちば」の行事を伝えたところ、ぜひ見に行きたいとおっしゃってました。
 その後は、参加の皆さんの実際に使っている福祉機器や、スマホのアプリなどの紹介になりましたが、やはり情報交換には、交流会が必要だと感じましたね。
 終了時間になって外に出ますと、金木犀の香りが心地よかったです。

◆「千葉サロン」11月のご報告
投稿 T・K
 11月11日(土)の参加者は当事者12名(男性5名、女性7名)、ご家族1名、ヘルパーさん1名でした。土曜日の開催だったため、普段お仕事をされている方や初めて参加してくださった方がいらっしゃいました。男性は皆さん50歳代と年齢が近く、目の状態も中心視野のほうが見えるなど共通点が多かったです。
 今回初参加で、今年の10月に障害者手帳の申請をされた方は、シンボルケーンとして使用できる小型の白杖を使用したいとのことでした。参加者のなかで伸縮式の白杖をお持ちの方がいらっしゃったので、実際に見せてくださいました。使用しやすいようにテープを貼って、ご自身用に長さを調整する工夫をなさっていました。
 また、JRなどの鉄道の障害者割引が適応されるICカードの話になりましたが、これは一部の鉄道会社を除いて、本人と介助者の2枚セットでないと使用できません(移動距離100キロを超える場合を除く)。視覚障害者の中には、ひとりで鉄道を利用される方も多いので、割引を使用したくてもできないという意見が多かったです。鉄道話の余談として、茅場町駅のホームの縁の一部が黒色に塗られていて、とても見づらいとのことでした。やはり、黄色などわかりやすい色で危険な位置を知らせていただけると助かります。
 そのほかに、白杖を使用するタイミングについてもそれぞれ悩むところがあるようでした。エレベーターに乗った際、折り畳み白杖をカバンに入れながら「3階をお願いします」とお願いしたところ、自分で押すように言われてしまったこと。介助者の肩に手を置いて歩く際、白杖を持つときと持たないときでは、周囲の反応が正反対だったこと。多少見えている状態での白杖を持つタイミングは、各自違うと思います。たとえば、歩くのに困難になったという場合や、何らかの理由で自分自身の葛藤がなくなった、などがあります。歩く本人も周囲の人たちも、ストレスがないのが一番だとわかっていますが、なかなか一筋縄ではいかない部分もあると思います。
 次回の千葉サロンは12月8日(金)、場所は千葉市生涯学習センターになります。皆さまのお越しをお待ちしております。

◆「柏サロン」10月のご報告
柏市 若松
 10月15日(日)は、合計11名の参加がありました。内訳は、男性7名、女性1名、ヘルパーさん2名、ボランティアさん1名でした。
 今月は、初めて流山から参加された男性が1名おられたので、各自の目の状況を含めて、近況を話して貰いました。
 初めて参加された方は、最近、新潟県から引っ越してこられ、ネット検索をしてJRPSちばのホームページにたどり着いたとのことでした。以前流山から初めて参加された女性も、ネット検索でこの会にたどり着いたと話していたことを思い出しました。
 男性は、中学の教師生活を送っていましたが、30代の定期検診で異常を見つけられ、医師から今まで聞いたこともなかった網膜色素変性症と言う病名を告げられ、いずれ失明との宣告もあり、やり切れない戸惑いがあったとのことでした。
 病気が進行する中で、生活面でのいろいろな不都合も出てきましたが、病名は周りには告げずに、なんとか定年退職までがんばったとのことでした。今までこの病気をもった患者との接触がなかったので、入会したいとのことでした。
 各自の近況については、千葉県視覚障害者福祉協会創立80周年の式典が盛大に行われ、JRPSちばからも大野会長が来賓として出席されたとのことでした。また気候も良くなったので、奈良や茨城に旅行した話も出ました。神奈川主催の網膜の日のイベントに参加したことや、思い出しながら過去の発病の経緯を求めてこられた方もいました。
 また今後のイベントについては、今月21日にアイフェスタとスーパーライブが同時開催されることや、11月25日に木更津方面の日帰りバス旅行があり、まだ若干の余裕があることの話をしました。
 忘年会については、柏サロン単独で12月17日(日)に、柏サロン終了後、柏駅西口にあるザクレストホテルでの食事会が予定されていることの話もしました。また、JRPSちば全体での新年会については、船橋でのイタリアンで開催されるとの話も出ました。
 次回11月の柏サロンは、11月19日になりますと言う話をさせていただき、本日の柏サロンは終了となりました。


◆「柏サロン」11月のご報告
投稿 H・Y
 11月19日(日)の参加者は当事者10名、ボランティア1名、ヘルパー3名でした(全14名 男性7名 女性7名)。
 Wさんのお孫さんが産まれたことがラジオで流れていたことと、参加者の一人が年末の断捨離(だんしゃり)で出てきた、20年ほど前にお菓子売り場で箱単位の大人買いして集めたチョコエッグのおまけの、超小型飛行機の模型を持参していたので、それを全員に回して手で触り感触を楽しみながら、お話を開始しました。
 11月20日13時から、千葉県全域のタクシーの値上げの情報。やっと障害手帳を取得できたこと。地方から松戸市に引っ越しての、障害申請が県と市町村によって違うのがたいへん。白杖を新しくしたが、支払いが郵便局の振り込みのみで不便。11月27日に神戸アイセンター病院に検査予約が取れたので、前泊で新幹線のグリーン車に乗って、神戸に遺伝子検査を行って来ます。そのときに、ガイド時間が使いきってしまうので、いつもの外食の時間をなくなってしまい楽しみが減ってしまう。
 ガイド時間ですが、治療に関わることなどの場合、特別時間枠が取れる場合があるので、福祉事務所に相談したほうがいいですとのことです。
 最後にアイフェスタと、スーパーライブの感想と、柏サロン忘年会と、JRPSちばの新年会の連絡などで終了しました。
 次回の柏サロンは12月17日(日)、皆さまのお越しをお待ちしております。

★オンライン交流サロンのご報告
担当 渡辺
 10月28日(土)の夕食後、夜8時から10時まで、千葉盲学校の現役教諭でJRPS会員でもある大石俊英先生に、盲学校についてお話していただきました。参加者は15名。ほとんどの人が、盲学校についてはよく知らないということでした。
 県内唯一の盲学校である千葉県立千葉盲学校には、幼稚部、小学部、中学部、高等部(普通科・総合生活科)のほか、高等学校の普通教育とあん摩マッサージ指圧師になるための専門教育を併せて行う高等部保健理療科と、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師になるための専攻科(保健理療科、理療科)の過程があります。そのうち高等部保健理療科と専攻科を合わせた理療科では、現在16名の生徒さんたちが国家資格を目指して学んでいます。専攻科には60歳代の方も2名いらっしゃるそうです。
 大石先生からは、学校生活の様子、入学資格と試験、学費そのほかの費用、遠隔地から通学する人のための寄宿舎、国家試験、資格取得後の就労についてなど、詳しい説明がありました。先生は「『盲学校=全盲の人が行くところ』というイメージがありますが、実際は、まだ視力がある人のほうが多いです。国家資格を取得するためには、視力のあるうちに勉強を始めるほうが楽です」と強調されていました。
 国家資格を取るための勉強ですから、そう甘くはない。結構たいへんなようです。しかし、3年間の課程を修了し、国家資格を取得した生徒さんたちは「一生のうちでこんなに集中して勉強したことはない」「中途視覚障害のため、いままでできていたことができなくなったり、職場でミスをしたりと自信を失くすことが多くなったが、一生懸命勉強して国家資格を取ることができ『やればできる』という自信を取り戻すことができた」と達成感を得たり、「同じ視覚障害をもつ仲間と気兼ねなく接し、共感することが多く、楽しい学校生活だった」と振り返る人が多いそうです。
 先生の説明のあと、参加者からは次々と質問があり、先生はひとつひとつていねいに答えてくださいました。いままで縁遠い存在だった盲学校が少し身近に感じられ、「人生の半ばで学生時代に戻り、視覚障害をもつ仲間と明確なひとつの目標に向かって勉強するというのもいいかもしれない。そんな第2の人生もあってよい」と思えた秋の夜でした。
 大石先生、ありがとうございました。

※千葉県立千葉盲学校について、詳しく知りたい方は、
 千葉県立千葉盲学校(電話:043−422−0231)までお問合せください。




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